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2019-05-28

削除請求・開示請求の裁判管轄

インターネット上の誹謗中傷記事について、被害者側ができる対応方法は、大きく分けて二つ、記事の削除と記事の投稿者を探すことが手段として存在します。

 

 記事の削除や、記事の投稿者の特定について、交渉だけで対応できるケースであればよいのですが、そのような場合ばかりではなく、特に、記事の投稿者の特定について、氏名や住所などを特定するために、インターネット接続プロバイダに開示を要求する際は、裁判とならざるを得ないことが通常です。

 

 そして、その場合に問題となるのが、裁判の管轄です。

 

 例えば、依頼した弁護士の事務所所在地と、提訴すべき裁判所が離れている場合、依頼者は、弁護士が裁判所に行くまでの出張旅費や出張日当を支出しなければならなくなり、依頼者にとって負担となります。

 

 以下では、各請求における裁判管轄について、見ていくことにしたいと思います。

 

 

 

 

#削除請求における裁判管轄

 

 削除請求は、プライバシー、名誉権といった人格権、商標権、著作権といった知的財産権などへの侵害を理由として、侵害の差止めを請求ですが、管轄に関しては、民法709条の不法行為に関する裁判に含まれると解されており、民事訴訟法5条9号の定めにより、「不法行為があった地」に管轄が認められます。

 

 そして、裁判実務上、インターネット上の権利侵害の場合、「不法行為があった地」は、被害結果発生地である、被害者の住所地であるとされています(民事訴訟法4条1項)。

 

 そこで、削除請求における裁判管轄は、被害者の住所地に認められ、例えば、福岡市の方が被害に遭われた場合には、福岡市を管轄する、福岡地方裁判所に提訴することとなります。

 

 なお、これとは別に、民事訴訟法は、被告の普通裁判籍の住所地を管轄する裁判所に管轄を認めており、例えば、削除請求の相手方たる掲示板などのコンテンツの運営会社が東京にある会社の場合、東京地裁にも管轄が生ずることになります。

 

 ただ、被告の所在地に普通裁判籍が認められるのも、あくまで被告に所在地がある場合のみであって、例えば、被告が海外に所在するなどし、民事訴訟法上被告の所在地が定まらない場合には、そのような管轄は認めることができませんので、上記の被害者の住所地を管轄する裁判所にのみ、管轄があることとなります。

 

 

 

#発信者開示請求における裁判管轄

 

 発信者情報開示請求は、プロバイダ責任制限法4条により、創設的に認められた請求権によるものであり、そのため、削除請求のように、被害者の所在地に裁判管轄が認められる仕組みはありません。

 

 そこで、開示請求の相手方である、掲示板運営者などのコンテンツプロバイダ、インターネット接続プロバイダの所在地にのみ、裁判管轄があることとなります。

 

 ここで、コンテンツプロバイダが日本にない業者である場合、同業者の所在地のみでは、管轄は決まらないことになりますが(同業者の代表者や業務担当者が日本にいるような場合には、代表者や業務担当者の所在地を管轄する裁判所に管轄が認められますがが、それもない場合)、このような場合を想定した規定が民事訴訟法にはおかれています。

 

 それが、民事訴訟法10条の2で、「この法律の他の規定又は他の法令の規定により管轄裁判所が定まらないときは、その訴えは、最高裁判所規則で定める地を管轄する裁判所の管轄に属する。」とし、民事訴訟規則6条の2は、この地を「東京都千代田区」と定めています。これにより、このような場合の管轄は、同地を管轄する東京地方裁判所に属することとなります。

 

 なお、提訴の方法によっては、被害者の所在地を管轄する裁判所で提訴できることはないでもないですが、こと開示請求に関していえば、多数の事件に触れ、審理に慣れている東京地裁に提訴したほうが、よい場合もあります。

 

 

 

#まとめ

 

 以上のとおり、削除請求の場合には、被害者の住所地、開示請求の場合には、プロバイダ所在地の裁判所に管轄が認められることとなります。その意味では、削除請求であれば地元の弁護士、開示請求であればプロバイダ所在地近くの弁護士に依頼することが旅費日当による負担を軽減するのに適当、と考えられそうですが、開示請求の場合でも、地元の弁護士に依頼するメリットがあります。  これについては、別の記事でご説明したいと思います。

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