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2019-10-01

「アカウントを消去すると電子計算機損壊等業務妨害が成立する?」

弁護士の黒岩です。

 

〇SNSの広告収入を増やす目的で、競合相手のSNSアカウントを消去したとして高校生らが逮捕されたとの報道がありました(※1)。

 

逮捕容疑は「電子計算機損壊等業務妨害」で、耳慣れない犯罪です。

あくまで逮捕段階であって、裁判所による判決ではありませんが、今回は、この犯罪類型について簡単に紹介してみようかと思います。

 

 

 

 

〇電子計算機損壊等業務妨害の罪は、刑法234条の2に定められており、昭和62年に新設されました。コンピュータの普及に伴い、従来は人により行われていた様々な作業が電子計算機によって行われるようになったことを踏まえたものです。

 

条文は「人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」とされています。

 

いろいろな電子データに関する行為を処罰できるようにするため、非常に長い条文となっているのですが、今回の問題に関する部分だけをピックアップすると、「電磁的記録を損壊し人の業務を妨害した者」が処罰の対象となります。

 

 

〇被害者はSNSのサービスを利用して広告収入を得ていたので、そのアカウントが消去されると、その業務が妨害されるであろうことは感覚的に理解できるかと思います。

ここで興味深いのは、アカウントを消去する行為が「損壊」に該当するか、というところです。アカウントは電子データですから、壊すような対象となるものではないようにも思われます。

 

文献に当たると、損壊とは「物を物質的に変更、滅失させる場合のほか、電磁的記録の消去等その効用を害する場合を含む」とされています。

裁判例として、ホームページ内の天気予報画像を消去した行為(※2)や工場におけるプログラムを消去した行為(※3)が「損壊」に当たるとされています。

 

今回は、捜査機関は、アカウントを消去させる行為を「電磁的記録の消去等その効用を害する場合」と捉えて逮捕したのだと考えられるところです。

 

 

〇今回ご紹介した報道の対象となるような犯罪行為は一般的にも違法だと認識されるもので、やってはいけないことだというのは、誰しも分かると思います。

ですが、インターネットに関する法律は、私たちの一般的な感覚と少しズレるところがあります。

 

インターネットに関してお困りの際には、インターネットに詳しい弁護士に直接相談されることをお勧めします。

 

 

  1. https://mainichi.jp/articles/20190925/k00/00m/040/120000c
  2. 大阪地判平成9年10月3日
  3. 京都地裁峰山支判 平成2年3月26日

 

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